2024年5月30日木曜日

事業承継特別保証制度とは?対象者や特徴について解説!

 後継者候補が「経営者保証が残る」ことを嫌って事業承継を辞退し、廃業せざるを得ない中小企業が増えています。そこで政府は、このような状況を改善するために、事業承継時における経営者保証を可能な限り解除することを後押しする制度を創設しました。

それが【事業承継特別保証制度】です。

事業承継特別保証制度とは?

事業承継特別保証制度とは、事業承継前の個人保証を提供している借入金の借換も含め経営者保証を一定の要件下において不要とし、また専門家(中小企業活性化協議会及び事業承継・引継ぎ支援センター)の確認を受けることで信 用保証料率の割引を受けることができる保証制度です。

対象者は?

  1. 3年以内に事業承継(=代表者交代等)を予定する「事業承継計画」(※信用保証協会所定の書式に よる計画書が必要)を有する法人。又は令和2年1月1日から令和7年3月31日までに事業承継を実施した法人であって、承継日から3年を経過していない法人
  2. 次の①から④までに定めるすべての要件を満たす法人                            ① 資産超過であること                                             ② EBITDA有利子負債倍率(※)が15倍以内であること                            (※)EBITDA有利子負債倍率=(借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)                                                   ③ 法人・個人の分離がなされていること                                     ④ 返済緩和している借入金がないこと

この制度の最大の特徴とは?

通常、信用保証協会は、金融機関のプロパー融資を信用保証協会の保証付融資に借り換えることを禁止していますが、この制度では、その借換えを例外的に認めています。

事業承継を考えている中小企業は、この制度を利用して金融機関のプロパー融資を借り換えることで、現経営者、後継経営者とも保証人を外すことが可能となります。

この制度の問い合わせ先

皆さんの地元の信用保証協会が問い合わせ先となります。  http://www.zenshinhoren.or.jp/others/nearest.html


経営者保証を外すための方法はいくつかありますが、何の準備もなく経営者保証を外すことはできません。

ぜひ【事業承継特別保証制度】を活用して、事業承継をスムーズに進めてください!

なお、この制度を利用したい場合や、この制度に関して詳細を知りたい場合は、お気軽に当社までご相談ください。

2024年5月29日水曜日

ファクタリングとは?仕組み・種類・注意点について解説します!

皆さんは「ファクタリング」という資金調達方法をご存知ですか?

一般的には、「事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス」であり、事業者の資金調達のひとつの方法とされています。

今回は、ファクタリングの仕組みや種類、サービスを利用する際の注意点などについて解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは「事業者が保有している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却することで、早期の現金化を実現して運転資金を調達すること」です。

主に、

  • 保証人や担保が不要である
  • 借入ではないため信用情報に影響しない
  • バランスシート上の負債にというならない
  • キャッシュフローの早期改善が図れる

などのメリットがあります。

ファクタリングの仕組み

これまでは3社間ファクタリングが主流でした。3社間ファクタリングの流れは下記の図の通りです。


3社間ファクタリングの最大のデメリットは、上記図の「②ファクタリングの承諾」です。

売掛先である取引先企業にファクタリングを利用する旨の承諾を取らなければならないのです。この場合、取引先企業から「ファクタリングを利用しなければならないほど資金繰りが悪化しているのかな…」といった疑念を持たれ、その後の取引に悪影響が発生するリスクがあるので注意が必要です。

新しいファクタリングの仕組み

最近は、3社間ファクタリングのデメリットを改善した2社間ファクタリングが表れています。今後は2社間ファクタリングが主流になるといわれています。


2社間ファクタリングでは、「取引先企業への通知をしないかわりに、取引先企業から売掛金の入金があった際に、速やかにファクタリング会社へ回収した売掛金を入金する」という仕組みになっています。

クラウドファクタリングとは?

2社間ファクタリングをインターネット上で完結させるサービスが「クラウドファクタリング」です。

この「クラウドファクタリング」はAIを活用しているため、必要書類が揃ってから24時間(1営業日)以内に審査結果がわかる点や即日入金されることなどが大きな特徴です。

現在、法人向けクラウドファンディングを積極的に展開しているのはOLTA株式会社(OLTAクラウドファンディング)やGMOペイメントゲートウェイ株式会社(GMO BtoB早払い)があります。

このほか、個人事業主やフリーランス向けのクラウドファクタリングサービスもあります。

ファクタリングは上手に活用しよう!

ファクタリング市場は年々拡大しており、売掛債権が多くて資金繰りに悩んでいる個人事業主や中小企業にとっては上手に活用したいサービスといえるでしょう。

ただし、「ファクタリング」と言いながら実態は高金利融資であるような悪徳業者がいることも事実です。

利用する場合には、そのファクタリング会社が財務局長又は都道府県知事の登録を受けているかどうかを確認するなど、十分に注意してください!

「これはおかしいな?」と思ったら、近くの専門家にすぐに確認することをおススメします。

【こんな人は創業融資を借りられない!】最後に・・・

 


 【こんな人は創業融資を借りられない!】について、シリーズでお伝えしてきました。

最後に・・・

これらのポイントのうち、(1)税金の未納・滞納がある(2)金利の高い資金を借りている(3)クレジットブラックについては、根本的な問題を解決しないことには、創業融資を申し込んでも断られ続けます。

しかし、(4)自己資金がゼロか少額(5)起業・創業するビジネスの経験が乏しい(6)説得力のない事業計画書については、工夫次第で満額借りられる可能性があります。

その場合は、一度、創業融資に詳しい専門家に相談されることをお勧めします。

もちろん当社でもご相談をお受けしていますので、お気軽にどうぞ!


2024年5月27日月曜日

【こんな人は創業融資を借りられない!】(6)説得力のない事業計画書

  

シリーズでお伝えしている【こんな人は創業融資を借りられない!】の第6回です。

(6)説得力のない事業計画書

金融機関が創業融資の審査を行う際に、最も重視する判断材料が事業計画書(創業計画書)です。

創業者が思い描いた事業をどう実現していくのか、道筋を示すのが事業計画書です。

すなわち、事業計画書は、自分の事業を成功するための設計図といえるでしょう。

それだけ重要なものであるにもかかわらず、「面倒だ」「やり方がわからない」「とりあえず書いておけばいい」といった理由から、説得力に欠ける事業計画書を提出してはいけません。

そんな説得力に欠ける事業計画書を受け取った金融機関は、事業が成功する可能性が低いと判断するからです。

事業計画書の出来次第で融資の可能性は大きく変わるので、事業計画書は真剣かつ精密に書きましょう。

自分1人で完成させさせられない場合は、詳しい専門家に手伝ってもらってもオッケーです。ただし、1から10まで専門家に書いてもらうのは良くありません。

なぜなら、そのようにして完成させた事業計画書では、事業計画の内容を自分の口で説明できないからです。本人が説明できない事業計画を金融機関は評価しないのは当然です。評価どころか、実現不可能な事業計画だと判断されてしまいます。

そのため、事業計画書を作成する際は、自分でよく考えたうえで書くか、もしくは専門家によく話を聞いてもらって、内容の濃い事業計画書を作るということが重要になります。

2024年5月26日日曜日

【こんな人は創業融資を借りられない!】(5)起業・創業するビジネスの経験が乏しい

 

シリーズでお伝えしている【こんな人は創業融資を借りられない!】の第5回です。

(5)起業・創業するビジネスの経験が乏しい

通常、金融機関が融資をする際に、最も参考にするのは実績です。しかし、起業家・創業者はこれからそのビジネスを行うため、まだ実績はありません。

そこで実績代わりに見るのがそのビジネスにおける経験です。

日本政策金融公庫には創業融資に関する膨大なデータがあり、経験のない業種に参入する起業家・創業者は失敗しやすいことがわかっています。

起業・創業を考えているビジネスに対する経験が乏しければ、融資をしてもらえる確率はとても低くなります。そのため、経験を積むために、起業・創業を延期するのも一案です。


2024年5月23日木曜日

【こんな人は創業融資を借りられない!】(4)自己資金がゼロまたは少額

 

シリーズでお伝えしている【こんな人は創業融資を借りられない!】の第4回です。

(4)自己資金がゼロまたは少額

自己資金はゼロだが、創業融資を借りたいと相談に来る起業家・創業者は少なくありません。自己資金がゼロで創業融資を申し込むことは、制度上は可能ですが、実務上は貸してもらえないと考えた方がよいでしょう。

たとえゼロでなくても、自己資金額が極端に少ない場合も同様で、借りることは難しいと言えます。このことは私が懇意にしている公庫の人間もはっきりと言っています。

それでは、その理由について説明します。

創業に資金が必要なのはわかっていることですから、自己資金が少ないと、金融機関は準備不足とみなします。そのため、思いつきで創業するのではないかと審査が厳しくなりがちです。

自己資金の多さ=創業に対する熱意と受け取られるますので、準備している自己資金が多ければ多いほど、本気度が伝わり、審査に良い影響を与えます。


2024年5月22日水曜日

【こんな人は創業融資を借りられない!】(3)クレジットブラック

 

シリーズでお伝えしている【こんな人は創業融資を借りられない!】の第3回です。

(3)クレジットブラック

個人信用情報照会では、現在の借入額と同時に、過去にきちんと返済していたかどうかということもわかります。

過去に返済遅延があった場合、「クレジットブラック」と言ってその情報が一定期間登録されます。借りていたお金をきちんと返済していないと言う悪い実績があった場合、「この人はまた返済遅延をするのではないか…」と思われてしまいます。

クレジットブラックの場合も、融資を断られることがよくあるのだと認識しておきましょう。

無借金経営って正しいの?

  今月は出張が多く、バタバタしておりブログの更新が停滞していました。 大分・山口・福岡と2回に分けて出かけたのですが、元気なエリアと低迷しているエリアがはっきりしています。都心にいてはわからない感覚ですね。。。 今回は「無借金経営は正しいの?」というテーマで、私が考えるところを...