2024年5月14日火曜日

取引銀行から運転資金の融資を断られたら、次に何をする?

コロナや物価高の影響により、思うように売上が回復せずに赤字が続き、運転資金が枯渇してしまう事業者は少なくありません。

そのような時、多くの事業者は取引銀行に対し運転資金の融資を申し込みますが、現状で多くの金融機関が「赤字補填のための運転資金」に対して、非常に厳しいスタンスをとっており、簡単に融資してくれません。

このような場合、次の対策としてどうすべきなのでしょうか?


 「金融機関が融資の際に重視していること」を踏まえて、貸してもらえるようになる

金融機関が融資を行う際に、最も重視しているのが「貸したお金をきちんと返済してもらえるか」ということです。

その見込みが薄い事業者に対しては、当然ながら融資を断ります。

赤字補填のための運転資金を融資したとしても、現状維持の施策しかないのであれば、売上が回復する見込みは薄い…と金融機関は判断します。

融資してもらえるようになるためには、「今後、売上や利益を増加させるために、どのような施策を具体的にどう取り組んでいくのか」ということと、「その施策を行うことで、売上や利益がどれぐらい増加するのか」について伝える必要があります。

「調達した資金を活用して、新たな施策や取り組みを行うことで売上や収益が増えます」という内容の資料を金融機関に提出するとことで、赤字続きの事業者であっても、融資を検討してもらうことができるようになります。


融資を断られた場合の次の打つ手「手形貸付」

通常、金融機関から融資を受ける場合、返済期間3年~7年程度の証書貸付になります。

証書貸付は、長期にわたって返済するため、金融機関が負担するリスクは高くなります(小さな会社は外部環境の影響を受けやすく、返済困難になるリスクが常につきまとうため)

そのため、金融機関は証書貸付での融資に慎重になりがちです。

それに対して、短期貸付である手形貸付の場合、金融機関にとってはある程度リスクを軽減することができます。

手形貸付とは、金融機関宛の約束手形を事業者が振り出し、この約束手形を担保として貸付を行う方法です。一般的には、証書貸付に比べて手形貸付のほうが金融機関にとってリスクが少ないため、証書貸付で断られた融資案件を手形貸付で申し込んだ場合、認可となることがあります。

特に、近いうちに大きな入金が見込める場合は、その資金で返済するという建付けにすれば、入金日まで手形貸付による融資をしてもらえる可能性は高くなります。


運転資金の融資を断られた時は

運転資金での融資を申し込んで断られたときには、

「それでは半年で結構ですから手形貸付で融資を検討してもらえませんか」

とダメ元でお願いしてみてはいかがでしょうか。

取引銀行との関係性や、担当者の熱意によっては、貸してもらえるチャンスが広がるかもしれません。

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